○宝塚市手話言語条例

平成28年12月20日

条例第37号

私たちは、言語を使うことにより、他者とコミュニケーションを図り、社会生活を営み、さらに、知識を蓄え、文化を創造してきました。

手話もまた、音声言語である日本語とは異なる独自の体系を持つ言語であり、ろう者によって使われ、育まれてきました。障害者の権利に関する条約や障害者基本法においても、手話は言語の一つとして、明記されています。

しかし、今なお、手話は言語である、との認識は十分にされておらず、手話を使用しやすい環境が整えられているとはいえません。

全ての市民が心豊かに共に生きる地域社会を実現していくためには、市民が相互に人格と個性を尊重するとともに、市、市民及び事業者全てが言語を含めた市民の中にある多様性を理解することが大切です。

ここに、私たちは、手話は言語であることを認識し、手話への理解に努め、手話を使用しやすい環境づくりを推進することにより、インクルーシブな地域社会の実現を目指すことを決意し、この条例を制定します。

(目的)

第1条 この条例は、手話への理解の促進及び手話の普及に関する基本理念を定め、市の責務並びに市民及び事業者の役割を明らかにするとともに、市が推進する施策を定めることにより、全ての市民が相互に人格及び個性を尊重し、心豊かに共に生きる地域社会を実現することを目的とする。

(基本理念)

第2条 手話への理解の促進及び手話の普及は、手話は音声言語である日本語とは異なる独自の体系を持つ言語であるとの認識に基づき、市民が手話により意思疎通を図る権利を有すること及びその権利を尊重することを基本として行われなければならない。

(市の責務)

第3条 市は、前条に規定する基本的な理念(以下「基本理念」という。)にのっとり、手話への理解の促進及び手話の普及を図り、市民が手話を使用しやすい環境を整備するため、必要な施策を推進するものとする。

(市民及び事業者の役割)

第4条 市民及び事業者は、基本理念に対する理解を深め、市が推進する施策に協力するよう努めるものとする。

(施策の推進)

第5条 市は、次に掲げる施策を推進するものとする。

(1) 手話に係る研修及び啓発(学校教育におけるものを含む。)に関すること。

(2) 手話による情報発信及び情報取得に関すること。

(3) 手話による意思疎通支援に関すること。

(4) 前3号に掲げるもののほか、手話への理解の促進及び手話の普及に関し市長が必要があると認めること。

(意見の聴取)

第6条 市長は、前条に掲げる施策の実施状況、見直しその他手話への理解の促進及び手話の普及に関し必要な事項について、広く市民、事業者、知識経験者その他市長が必要があると認める者に意見を聴くものとする。

(委任)

第7条 この条例の施行に関し必要な事項は、別に市長が定める。

この条例は、公布の日から施行する。

宝塚市手話言語条例

平成28年12月20日 条例第37号

(平成28年12月20日施行)

体系情報
第9編 生/第1章 社会福祉/第4節 心身障害者福祉
沿革情報
平成28年12月20日 条例第37号