○宝塚市議会基本条例

平成23年3月30日

条例第11号

注 平成25年2月28日条例第2号から条文注記入る。

目次

前文

第1章 総則(第1条)

第2章 議会及び議員の活動原則(第2条・第3条)

第3章 市民と議会の関係(第4条―第6条)

第4章 議会と行政の関係(第7条―第9条)

第5章 議会の合意形成及び自由討議の保障(第10条・第11条)

第6章 議会の組織(第12条―第17条)

第7章 議会の運営(第18条―第22条)

第8章 議員の政治倫理及び待遇(第23条―第25条)

第9章 最高規範性と見直し手続き(第26条・第27条)

附則

市民により選ばれた議員で構成される議会は、同じく市民により選ばれた市長とともに、市民の代表として市民の負託に応える重要な役割と責任を担っている。議会は合議制の機関として、また市長は独任制の機関として、ともに二元代表制の趣旨をふまえ、それぞれの特性を生かし、市民の意思を市政に的確に反映させる努力が求められている。

議会は、市長等執行機関の事務執行の評価・監視機能、立法機能、政策立案及び政策提言機能等を十分に発揮することにより、地方自治の本旨の実現をめざすものであり、市長と競い合い、また協力しながら市の最良の意思決定を推進していく使命が課せられている。

そして、いわゆる地方分権一括法の施行に伴い、地方公共団体は自らの責任においてその組織及び運営に関する様々な決定を行うこととなり、国と地方公共団体の関係も対等・協力の関係へと変化した。また機関委任事務の廃止に伴い、地方公共団体は自治事務の全てを決定することとなり、議会の議決権、調査権及び検査権も拡大され、議会の担うべき役割や責任も大きくなった。

議会は、今日まで、活発な議論と個々を尊重しあう民主的な政治姿勢で議会改革に積極的に取り組み、市民に開かれた議会運営に努めてきた。今後は、市民との活発な意見交換等多様な市民参加並びに議員間の自由討議を推進し、一層の議会改革に取り組むとともに、公正性・透明性及び独自性を確保し、さらなる市民に開かれた議会運営を行うことにより、市民の負託にこたえることを誓い、この条例を制定する。

第1章 総則

(目的)

第1条 この条例は、二元代表制のもとでの合議制の機関である議会の役割を明らかにするとともに、議会に関する基本的事項を定め、分権と自治の時代にふさわしい、市民に開かれた議会の実現を図ることにより、市民福祉の向上及び地域社会の活力ある発展に寄与することを目的とする。

第2章 議会及び議員の活動原則

(議会の活動原則)

第2条 議会は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 市民に開かれた議会をめざし、情報公開及び市民参加の促進に努めること。

(2) 市民に信頼される議会をめざし、公平性及び公正性を確保すること。

(3) 市民に親しまれる議会をめざし、わかりやすい言葉で説明責任を果たすこと。

(議員の活動原則)

第3条 議員は、次に掲げる原則に基づき活動しなければならない。

(1) 議会が言論の府であること及び合議制の機関であることを十分認識し、議員間の自由な討議を尊重すること。

(2) 市政の課題全般について、市民の意見を的確に把握するとともに、一部団体及び地域の代表にとらわれず、市民全体の福祉の向上をめざして活動すること。

(3) 市民の代表として、誠実かつ公正な職務執行に努めるとともに、長期的展望をもって的確な判断が行えるよう、日常の調査と自己の能力を高める不断の研さんに努めること。

第3章 市民と議会の関係

(市民参加の促進及び協働のまちづくり)

第4条 議会は、市民に対して積極的に情報を発信し、市民が的確な判断を行えるようにするための情報及び協働のまちづくりを進めるための情報の共有に努める。

2 議会は、開かれた議会運営に資するため、本会議及び委員会をはじめ、すべての会議を原則として公開する。

3 議会は、請願を市民の政策提案と位置づけ、請願者から意見を聴く機会を設ける。

4 議会は、市民の傍聴意欲を高める議会運営に努める。

5 議会は、地方自治法(昭和22年法律第67号。以下「法」という。)第115条の2第1項に定める公聴会制度及び法第115条の2第2項に定める参考人制度を活用するとともに、市民の専門的又は政策的識見等を議会の討議に反映させるよう努める。

6 議会は、市民との意見交換の場を設け、協働のまちづくりによる政策立案能力等の強化と政策提案の拡大を図る。

(平25条例2・一部改正)

(議会の説明責任)

第5条 議会は、政策決定、政策立案、政策提言及び議会運営等について、市民に対して説明する責任を有する。

2 議会は、議案に対する各議員の賛否を議会報等で公表する等、議員の活動に対して市民の評価がなされるよう情報の提供に努める。

(平25条例2・一部改正)

(議会報告会)

第6条 議会は、市政の諸課題に対処するため、市民及び議員が自由に情報及び意見を交換する議会報告会を行う。

2 議会報告会に関することは、別に議長が定める。

第4章 議会と行政の関係

(議員と市長等執行機関の関係)

第7条 議会審議における議員と市長等執行機関の長及び職員(以下「市長等」という。)との関係は、次に掲げるところにより、緊張関係の保持に努めるものでなければならない。

(1) 議員は、本会議及び委員会における質疑及び質問を、市政上の論点をわかりやすく明確にするため、一問一答方式で行うことができる。

(2) 市長等は、本会議及び委員会において、議長又は委員長の許可を得て、市政上の論点をわかりやすく明確にするため、議員の質疑又は質問に対し、反問することができる。

(議会審議における論点情報の形成)

第8条 議会は、市長が提案する重要な施策について、議会審議における論点情報を形成し、その政策水準を高めることに資するため、市長に対し、次に掲げる事項について明らかにするよう求める。

(1) 政策の発生源

(2) 提案に至るまでの経緯

(3) 他の地方公共団体の類似する政策との比較検討

(4) 市民参加の実施の有無とその内容

(5) 総合計画との整合性

(6) 財源措置

(7) 将来にわたる成果及びコスト計算

(予算及び決算における政策説明)

第9条 議会は、予算及び決算の審議に当たっては、前条の規定に準じて、市長に対し、わかりやすい施策別又は事業別の説明を求める。

第5章 議会の合意形成及び自由討議の保障

(議会の合意形成)

第10条 議会は、本会議及び委員会において、議案等を審議又は審査し、結論を出すに当たっては、議員又は委員相互間の自由討議を尽くして合意形成に努める。

(政策研究会)

第11条 議会は、市政に関する重要な政策及び課題に対し、議会として共通認識の醸成を図り、合意形成に資するとともに、条例案の策定や市長に対する政策提言等を行うため、政策研究会を置くことができる。

2 政策研究会に関することは、別に議長が定める。

第6章 議会の組織

(議員の定数)

第12条 議員の定数は、別に条例で定める。

(会派)

第13条 議員は、円滑な議会運営に資するため、会派を結成することができる。

(議長)

第14条 議長は、議会を代表して中立公正な職務遂行に努めるとともに、民主的かつ効率的な議会運営を行わなければならない。

2 議長及び副議長の選挙は立候補制とし、立候補する議員は、その実施に先立って意見表明を行う。

(附属機関の設置)

第15条 議会は、議会の政策立案能力等の向上を図るため、別に条例で定めるところにより、附属機関を置くことができる。

(調査機関の設置)

第16条 議会は、議案の審査又は市の事務に関する調査のため必要があると認めるときは、議決により、学識経験等を有する者等で構成する調査機関を置くことができる。

(危機管理体制の整備)

第16条の2 議会は、危機事案等緊急事態が発生したときは、市民の生命、身体及び財産に関する安全及び安心を確保するため、市長等と協力し、危機管理体制の整備に努める。

(平25条例44・追加)

(議会事務局)

第17条 議会は、議会の政策立案能力等を向上させ、議会活動を円滑かつ効率的に行うため、議会事務局の調査及び法務能力の強化並びに組織体制の整備を図る。

第7章 議会の運営

(法定外の執行機関委員の就任)

第18条 議員は、二元代表制及び住民自治の観点から、原則として法定外の執行機関の諮問機関及び審議会等の委員に就任しない。

(議決事件の拡大)

第19条 議会は、二元代表制のもとでの議会の役割を果たすため、法第96条第2項の規定に基づく議決事件の拡大に努める。

(議会の広報及び広聴)

第20条 議会は、議会報をはじめ情報技術の発達を踏まえた多様な広報手段を活用することにより、多くの市民が議会と市政に関心をもつよう議会広報活動に努める。

2 議会は、市民の声を議会運営に反映するため、市民への広聴活動に努める。

3 議会は、前2項に定める活動を行うため、広報広聴委員会を設置する。

(平25条例2・平27条例31・一部改正)

(議員研修の充実)

第21条 議会は、議員の政策立案能力等の向上を図るため、議員研修の充実強化を図る。

2 議会は、議員研修の充実強化に当たり、広く各分野の専門家、市民等との議員研修会を開催する。

(議会図書室)

第22条 議会に、法第100条第19項の規定に基づき、議会図書室を置く。

2 議会図書室は、議員のみならず、原則として誰もがこれを利用できる。

3 議会は、議員の政策立案能力等の向上を図るため、図書の充実に努める。

4 議会図書室に関することは、別に議長が定める。

(平25条例2・一部改正)

第8章 議員の政治倫理及び待遇

(議員の政治倫理)

第23条 議員は、宝塚市議会議員の政治倫理に関する条例(平成14年条例第65号)を規範とし、遵守しなければならない。

(議員報酬等)

第24条 議員報酬等を定めるに当たっては、市民の客観的な意見を参考にしなければならない。

2 議員報酬等は、別に条例で定める。

(政務活動費)

第25条 会派及び議員は、政策立案等の調査研究その他の活動のため交付される政務活動費の執行に当たっては、宝塚市政務活動費の交付に関する条例(平成25年条例第1号)を遵守しなければならない。

(平25条例2・一部改正)

第9章 最高規範性と見直し手続き

(最高規範性)

第26条 この条例は、議会における最高規範であって、議会は、この条例の趣旨に反する議会の条例及び規則等を制定してはならない。

2 議会は、議員がこの条例を遵守し議員活動を行えるよう、一般選挙を経た任期開始後速やかに、この条例の研修を行わなければならない。

(議会改革検討委員会)

第27条 議会は、議会改革の取り組みを検証し、継続させるため、議会改革検討委員会を置く。

2 議会改革検討委員会は、議会の一般選挙が行われる3か月前までに、この条例の目的が達成されているかどうかを検証する。

3 議会は、前項による検証の結果に基づき、この条例の改正を含む適切な措置を講ずる。

(施行期日)

1 この条例は、平成23年4月1日から施行する。

(取り組みの検証の特例)

2 議会は、第27条第2項の規定にかかわらず、平成25年3月31日までに、施行日以降の議会改革の取り組みを検証し、この条例の改正を含む適切な措置を講ずる。

(平成25年条例第2号)

この条例は、平成25年3月1日より施行する。

(平成25年条例第44号)

この条例は、公布の日から施行する。

(平成27年条例第31号)

この条例は、平成27年4月1日から施行する。

宝塚市議会基本条例

平成23年3月30日 条例第11号

(平成27年4月1日施行)

体系情報
第2編
沿革情報
平成23年3月30日 条例第11号
平成25年2月28日 条例第2号
平成25年9月6日 条例第44号
平成27年3月31日 条例第31号