○宝塚市核兵器廃絶平和推進基本条例
平成15年9月19日
条例第35号
宝塚市は平成元年3月7日に「非核平和都市宣言」を行いました。「青くすみきった空、清らかな武庫川の流れ、緑あふれる六甲・長尾の山々……。この素晴らしい自然と明るくおだやかな暮らしは宝塚市民すべての願いです。このような私たちの願いに反し、世界では依然として、人類同士の悲しむべき争いが絶えず、しかも地球上の全生命を滅ぼすことのできる核兵器が蓄積されてきました。しかし、人類の平和への切実な願いが全世界に高まり、大きなうねりとなって、ようやく戦略核兵器の縮小や、各地域の紛争解決への明るい兆しが見えようとしています。私たちは、このようなときにこそ、戦争を、そして核兵器をなくし、世界の恒久平和を強く願わずにはいられません。ここに、宝塚市は憲法の平和精神に基づき、恐るべき核兵器の廃絶を願い、永遠の平和社会を築くことを誓い、「非核平和都市」とすることを宣言します。」と世界にむけて非核平和の決意を明らかにしました。
このような認識の下に、市民と市が非核平和の基本原則を共有し協働して、市民の平和で安全な生活の維持向上に努めるため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、本市の非核平和都市宣言(平成元年3月7日宣言)に基づき、市民と市が協働して平和で安全なまちづくりを進めるための基本的な原則を定め、もって市民の平和で安全な生活の維持向上に資することを目的とする。
(定義)
第2条 この条例において「核兵器」とは、核分裂、核融合又はそれらを組み合わせた爆発的原子核分裂によって放出される原子核エネルギーを用いて人間を殺傷し、又は器物、建造物若しくは自然環境を破壊するものをいう。
(基本原則)
第3条 市は、第1条の目的を達成するため、不断の努力をするとともに、市民と市が協働して平和事業を推進する。
2 市は、核兵器廃絶の実現に向けて国内及び国外の都市等との連携を深める。
3 市長は、前2項に定める事項の推進に努めなければならない。
4 市長は、核兵器の実験等が行われた場合は、当該実験等に対する反対の旨の意見を表明するものとする。
(平和事業)
第4条 市は、前条の基本原則に基づき、次に掲げる事業を行う。
(1) 核兵器廃絶及び平和の意義の普及
(2) 核兵器廃絶及び平和に関する情報の収集及び提供
(3) 核兵器廃絶の実現に向けて他の都市等との平和に関する交流
(4) 前3号に掲げるもののほか、市長が必要と認める事業
2 市は、前項の事業の計画に当たっては、その基本的事項について市民の意見を聴くものとする。
(委任)
第5条 この条例の施行に関し必要な事項は、規則で定める。
附則
この条例は、公布の日から施行する。