○宝塚市いじめ防止等に関する条例

平成26年12月18日

条例第40号

(目的)

第1条 この条例は、いじめが、いじめを受けた子どもの基本的人権を著しく侵害し、その心身の健全な成長及び人格の形成に重大な影響を与えるのみならず、その生命又は身体に重大な危険を生じさせるおそれがあるものであることに鑑み、いじめ防止等のための対策に係る基本理念を定め、市、学校、保護者及び市民の責務並びに子どもの役割を明らかにするとともに、施策の基本となる事項を定めることにより、子どもが互いに認め合い、支え合いながら、安心して生活し、学ぶことができる環境をつくることを目的とする。

(用語の定義)

第2条 この条例において、次の各号に掲げる用語の意義は、当該各号に定めるところによる。

(1) 学校 学校教育法(昭和22年法律第26号)第1条に規定する小学校、中学校、高等学校、中等教育学校及び特別支援学校(幼稚部を除く。)をいう。

(2) 子ども 学校に在籍する児童又は生徒をいう。

(3) いじめ 子どもに対して、当該子どもと一定の人間関係にある他の子どもが行う心理的又は物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む。)であって、当該行為の対象となった子どもが心身の苦痛を感じているものをいう。

(4) いじめ防止等 いじめの防止、いじめの早期発見及びいじめへの対処をいう。

(5) 市立学校 宝塚市立小学校及び中学校の設置及び管理条例(昭和39年条例第29号)第2条に規定する小学校及び中学校並びに宝塚市立特別支援学校条例(昭和48年条例第10号)第1条に規定する特別支援学校をいう。

(6) 保護者 親権を行う者、未成年後見人その他子どもを現に監護する者をいう。

(7) 市民 市内に在住し、在学し、又は在勤する者をいう。

(基本理念)

第3条 いじめ防止等のための対策は、いじめが全ての子どもに関係する問題であることに鑑み、子どもが安心して学習その他の活動に取り組むことができるよう、学校の内外を問わずいじめが行われなくなるようにすることを旨として行われなければならない。

2 いじめ防止等のための対策は、全ての子どもがいじめを行わず、及び他の子どもに対して行われるいじめを認識しながらこれを放置することがないようにするため、いじめの問題に関する子どもの理解を深めることを旨として行われなければならない。

3 いじめ防止等のための対策は、いじめを受けた子どもの生命及び心身を保護することが特に重要であることを認識しつつ、市、学校、保護者及び市民の相互の連携及び協力の下、社会全体でいじめの問題を克服することを目指して行われなければならない。

(子どもの役割)

第4条 子どもは、いじめを行ってはならない。

2 子どもは、いじめを防止するための学校内の活動に主体的に取り組むことにより、安全で安心な学校生活を送ることができるように努めるものとする。

3 子どもは、他の子どもがいじめを受けていると思われるときは、保護者、学校、市、宝塚市教育委員会(以下「教育委員会」という。)その他の自分と関係がある人又は機関に相談するように努めるものとする。

(市の責務)

第5条 市は、本市の子どものいじめ防止等を図るため、必要な施策を講じなければならない。

2 市は、学校の設置者として、市立学校における子どものいじめ防止等を図るため、必要な措置を講じなければならない。

(市立学校及び市立学校の教職員の責務)

第6条 市立学校及び市立学校の教職員は、当該学校に在籍する子どもの保護者、地域住民、児童相談所その他の関係機関と連携を図りつつ、学校全体でいじめ防止等に取り組まなければならない。

2 市立学校及び市立学校の教職員は、当該学校に在籍する子どもがいじめを受けていると思われるときは、適切かつ迅速にこれに対応しなければならない。

3 市立学校及び市立学校の教職員は、当該学校におけるすべての教育活動を通して、いじめ防止等について主体的に考え、行動する子どもの育成に努めるものとする。

(保護者の責務)

第7条 保護者は、子どもの教育に第一義的な責任があること及びいじめが重大な人権侵害であることを認識するとともに、その保護する子どもに対し、いじめが許されない行為であることを指導し、これを十分に理解させるよう努めるものとする。

2 保護者は、その保護する子どもがいじめを受けた場合には、適切に当該子どもをいじめから保護するものとする。

3 保護者は、その保護する子どもが通学する学校及び市が講ずるいじめ防止等のための対策に協力するよう努めるものとする。

(市民の責務)

第8条 市民は、地域において子どもに対する見守り、声かけ等を行い、子どもが安心して過ごすことができる環境をつくるよう努めるものとする。

2 市民は、子どもがいじめを受けていると思われるときは、速やかに、学校、市その他子どものいじめ防止等のための関係機関に情報を提供するよう努めるものとする。

(市基本方針の策定)

第9条 市は、いじめ防止対策推進法(平成25年法律第71号。以下「推進法」という。)第12条の規定に基づき、本市におけるいじめ防止等のための対策を総合的かつ効果的に推進するための基本的な方針(以下「市基本方針」という。)を定める。

2 市基本方針は、次に掲げる事項について定める。

(1) 市が実施するいじめ防止等のための施策に関すること。

(2) 市立学校が実施するいじめ防止等のための施策に関すること。

(3) 保護者及び市民と連携したいじめ防止等の取組に関すること。

(4) 推進法第28条第1項の重大事態への対処に関すること。

(5) 前各号に掲げるもののほか、本市のいじめ防止等に関し必要な事項

3 市は、いじめ防止等に関し、より実効性の高い取組を実施するため、市基本方針を定期的に点検し、及び評価するとともに、必要に応じて変更する。

4 市は、市基本方針を策定し、又は変更したときは、これを公表する。

(学校基本方針の策定)

第10条 市立学校は、推進法第13条の規定に基づき、当該学校におけるいじめ防止等のための対策に関する基本的な方針(以下「学校基本方針」という。)を定める。

2 市立学校は、当該学校におけるいじめ防止等に関する取組をより実効性の高いものにするため、学校基本方針を定期的に点検し、及び評価するとともに、必要に応じて変更する。

3 市立学校は、学校基本方針を策定し、又は変更したときは、これを公表する。

(相談体制の確立)

第11条 市は、いじめ防止等のための効果的な通報及び相談の体制を整備しなければならない。

2 市は、いじめが子どもの心身に及ぼす影響、いじめ防止等の重要性及びいじめに係る相談制度について必要な広報を行わなければならない。

3 市立学校は、当該学校に在籍する子ども又はその保護者が安心していじめに係る相談を行うことができるよう、体制を整備しなければならない。

(宝塚市いじめ防止対策委員会)

第12条 教育委員会に、推進法第14条第3項の附属機関として、宝塚市いじめ防止対策委員会(以下「対策委員会」という。)を置く。

2 対策委員会は、教育委員会の諮問に応じて、次に掲げる事務を担任する。

(1) 市基本方針に基づき、本市におけるいじめ防止等のための施策を実効的に行うようにするための調査を実施すること。

(2) 推進法第24条の調査及び推進法第28条第1項の調査を実施すること。

(3) 前2号に掲げるもののほか、本市のいじめ防止等に関し必要な事項

3 対策委員会は、委員6人以内をもって組織する。

4 対策委員会の委員は、常任委員及び臨時委員とする。

5 常任委員は、いじめ防止等に関し知識経験を有する者のうちから3人を教育委員会が委嘱する。

6 常任委員の任期は、2年とし、再任を妨げない。

7 教育委員会は、臨時委員の委嘱について常任委員から要請があったときは、知識経験を有する者のうちから臨時委員3人以内を委嘱することができる。

8 臨時委員の任期は、その都度教育委員会が定める期間とする。

(市立学校以外の学校への協力要請)

第13条 市は、市内に所在する学校(市立学校を除く。)の設置者に対し、いじめ防止等に関する施策が確実かつ適切に実施されるよう、必要な協力を求めることができる。

(委任)

第14条 この条例に定めるもののほか、この条例の施行に関し必要な事項は、教育委員会規則で定める。

この条例は、公布の日から施行する。

宝塚市いじめ防止等に関する条例

平成26年12月18日 条例第40号

(平成26年12月18日施行)