○宝塚市まちづくり基本条例
平成13年12月25日
条例第36号
宝塚市は、武庫川の清流と六甲・北摂の豊かな山なみに象徴される素晴らしい自然環境に恵まれ、また、この豊かな自然環境と先人が培ってきた歴史と文化の息づく都市の景観が調和した美しいまちとして知られています。
私たちは、個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を目指し、この美しい宝塚が「住み続けたい、訪れてみたいまち」となるようにしていかなければなりません。
そのためには、地方自治の本旨にのっとり、地方分権の時代における新たな自治を確立するとともに、生活者である市民の立場からまちづくりを進めていかなければなりません。
また、まちづくりは、市民と市の協働を基本とし、市民の持つ豊かな創造性、知識、社会経験等が十分に生かされることが必要です。
このような認識の下に、市民と市がまちづくりの基本理念を共有し、協働のまちづくりを進めるため、この条例を制定します。
(目的)
第1条 この条例は、本市のまちづくりの基本理念を明らかにするとともに、市民と市の協働のまちづくりを推進するための基本的な原則を定め、もって個性豊かで活力に満ちた地域社会の実現を図ることを目的とする。
(まちづくりの基本理念)
第2条 まちづくりは、主権者である市民と市が、それぞれに果たすべき責任と役割を分担しながら、相互に補完し、及び協力して進めること(以下「協働」という。)を基本とし、次に掲げるまちづくりを推進するものとする。
(1) すべての市民が健康で安心して暮らせ、災害に強く安全でいつまでも快適に住み続けることができる、安全で安心して暮らせるまちづくり
(2) 次代を担う子ども達が夢と希望を抱き、健やかに成長し、そして、すべての市民の人権が尊重され、文化の薫り高い、心豊かなまちづくり
(3) 豊かな自然環境と歴史・文化の息づく都市の景観が美しく調和し、花や緑があふれ、環境にやさしい、個性と魅力のあるまちづくり
(4) 人と人、人と社会のつながりが強く、また、地域活動が活発な、にぎわいと活力に満ちたまちづくり
(市の責務)
第3条 市は、前条各号に掲げるまちづくりを推進するため、必要な施策を講じなければならない。
2 市は、市民の主体的なまちづくり活動を促し、協働してまちづくりを進めなければならない。
3 市は、地域コミュニティの役割を認識し、その活動を促し、協働してまちづくりを進めなければならない。
4 市は、まちづくりの基本理念にのっとり実施される、地域の主体的なまちづくり活動を支援しなければならない。
(市長の責務)
第4条 市長は、市民の市が保有する情報を知る権利及びまちづくりに参加する権利を保障するとともに、これを実現するための施策を講じなければならない。
2 市長は、協働のまちづくりの仕組みを確立しなければならない。
3 市長は、多様な市民のニーズに適切に対応したまちづくりを推進するため、職員の人材育成を図らなければならない。
(職員の責務)
第5条 職員は、公正かつ能率的に職務を遂行しなければならない。
2 職員は、まちづくりの基本理念にのっとり、職務を遂行しなければならない。
3 職員は、職務の遂行に必要な知識、技能等の向上に努めなければならない。
(市民の権利と責務)
第6条 市民は、市の保有する情報を知る権利を有するとともに、まちづくりに参加する権利を有する。
2 市民は、まちづくりの基本理念にのっとり、主体的にまちづくりに取り組むよう努めなければならない。
(説明責任)
第7条 市は、施策の立案、決定及び実施に当たっては、その必要性及び妥当性を市民に説明する責任を果たすものとする。
(情報の共有)
第8条 市は、市の保有する情報を、市民と市が共有することが不可欠であるとの認識の下、これを取り扱わなければならない。
(情報の公開及び提供)
第9条 市は、市の保有する情報を積極的に公開し、及び提供しなければならない。
(個人情報の保護)
第10条 市は、個人情報の保護に努めなければならない。
(行政手続)
第11条 市は、市政運営における公正の確保と透明性の向上を図り、市民の権利利益を保護するよう努めるものとする。
(総合的な市政の推進)
第12条 市は、主権者である市民のニーズに的確に応え、まちづくりの基本理念を実現するため、総合的な市政の運営に努めるものとする。
(他の地方公共団体等との連携)
第13条 市は、共通する課題の解決を図るため、関係する地方公共団体等との連携及び協力に努めるものとする。
(総合計画等)
第14条 市は、総合的かつ計画的な市政の運営を図るための基本構想及びこれを実現するための基本計画(以下「総合計画」という。)を、まちづくりの基本理念にのっとり策定するものとする。
2 市は、総合計画の進行管理を的確に行うものとする。
3 市は、行政分野ごとの計画については、総合計画に即して策定するものとする。
(行政評価)
第15条 市は、行政課題や市民のニーズに対応した能率的かつ効果的な市政運営を進めるため行政評価を行い、その結果を市民に公表するものとする。
(財政の仕組み)
第16条 市は、総合計画や行政評価を踏まえた財政の仕組みを確立するとともに、財政状況を市民に公表しなければならない。
(市民投票)
第17条 市長は、広く市民の意思を直接問う必要があると判断した場合は、市民投票を実施することができる。
(条例の位置付け)
第18条 市は、行政分野ごとの基本条例の制定に努めるとともに、他の条例、規則その他の規程によりまちづくり制度を設ける場合においては、この条例に定める事項を最大限に尊重しなければならない。
附則
この条例は、平成14年4月1日から施行する。